100円ショップの潤滑剤でキーボードのルブをしてみる
こんにちは。Azusaです♪
本日は100円ショップの潤滑油でメカニカルキーボードのスイッチをルブしてみたので、結果をご紹介します。
数種類の潤滑剤が売っているので、比べてみていい感じの潤滑剤がみつかればいいなぁということで実験してみました!
ルブ(Lube・Lubricant)とは
まず、ルブとは何ぞやという話ですが、簡単に言ってしまうとグリスアップのことで、スイッチの擦れる部分に潤滑剤を塗る事により、スイッチがなめらかになったり、結果として静かになったりするので、メカニカルキーボードを使っている人の中では行っている方も多いカスタムです。
ミニ四駆とかで遊んでいた世代の方は、ギアにグリスを注したりしたことがあるかと思いますが、あれと同じことです。
一般的にルブに使うグリスとしては”Krytox”というものが有名で、オススメされている記事も多いのですが、正直高いので(笑)、100円ショップのもので代用できないかと実験してみました。
用意した潤滑剤
今回用意したのはこちらの4種類です。
・ダイソーのグリーススプレー
・セリアの防水スプレー(フッ素コート)
・セリアの万能オイル
・一般家庭にありそうな油としてオリーブオイル
上記4種類ですが、万能油に関してはスプリングの潤滑剤として決め打ちで使ったので、実質軸に塗布したのは3種類ですね。

定番として樹脂に優しいシリコンスプレーも入手すればよかったのですが、その時の気分で何故か候補からはずしてしまったので、今回は登場しません…。
試してみた方とかいれば、コメント等で感想をいただけたら嬉しいです♪
いざ実験!
前提条件として、スイッチは私の好みの重さであるタクタイルのGateronの茶軸を使います。
何も塗布していない状態では、タクタイルらしく引っかかりの部分ではしっかりとした抵抗があり、そこを抜けたら勢いで下まですっと下がるような感じです。
そして、スイッチを指で弾くようにすると、少しではありますがスプリングの反響音が残ってキ~ンと鳴ります。
スイッチを分解して上下ハウジングとステム・スプリングに分解して、まずはスプリングから。
スプリング
実験で一つずつなので軽くスプリングに垂らしてティッシュ等で余分な油分を拭き取りつつ全体に纏わせます。
その後、普通に組み立て指で弾いてスプリングの反響を耳でチェックしました。
すると、キ~ンとなっていたスプリングが、キンと短時間で音が消えるようになり、反響音が消えました。
実はスプリングはオリーブオイルでも試したのですが、結果としては大して変わらなかったので、粘度が高すぎたり乾いてしまう潤滑剤でなければ何でもいい気がしました…笑
ステム
今回はハウジングにはルブをしません。
何故かというと、基本的に動くのはステムだけであり、ステム全体に塗布すればスイッチを動作させれば、ハウジングの必要な部分にも自動的に潤滑剤が付着すると考えたためです。(大量にルブするときの時間短縮も兼ねてます。)
というわけで、まずはグリーススプレーから。
全体にスプレーを吹きかけ、ティッシュ等で薄い膜だけが残る程度に拭き取ります。
組み立てて動作確認…ほんの少しだけ滑らかになった気はしますが、そこまで変わらず。
全体に塗布したにもかかわらず、タクタイル感もほぼそのまま残っていて正直微妙でした。
このグリーススプレーは石油系溶剤が混ざっているので、時間が経つとスイッチの樹脂部分をおかしそうでちょっと怖かったので、逆にいい結果じゃなくて安心したのは内緒です笑
次に防水スプレー(フッ素コード)!
こちらは速乾性なので、同じように吹きかけた後に乾くのを待って組み立てました。
これは!!!すごい!!!
めちゃくちゃなめらかです。
タクタイル感もかなり薄れて、押し下げる力も5gほど軽くなったようなレベルで変わりました。
薄れはしましたが、完全にリニアになってしまったわけではなく、軽い引っ掛かりは感じるので個人的にはすごく好みでした。
こちらのスプレーも石油系溶剤が混ざっていますが、速乾性なので実用上も問題ないかと。
さて、最後はオリーブオイルです。
食用油は酸化が早くベトベトになってしまうものが多いので潤滑には基本的に使われませんが、家にある油でできたらコスパがいいよねという安易な考えでチョイス。
オリーブオイルにした理由は不乾性油だからです。
不乾性油なら多少長く持つのではないかということと、粘度が高くなってベトベトしにくいのではということから選びました。
小さいお皿にオリーブオイルを少量出して、ステムをドボン…。
例によって余分な油を拭き取ってから組み立て。
え…これも凄い…!めっちゃなめらか!
フッ素コートと同じくらい滑らかで、お高い潤滑剤いらないのでは…?と思ってしまったほどです。
結果
・グリーススプレーはあまり効果を感じませんでした(粘度が高すぎ…?)し、溶剤の影響が怖いので使わない。
・防水スプレー(フッ素コート)はめちゃくちゃ滑るようになる。更に速乾性なのでホコリとかが付きにくくてイチオシ!
・オリーブオイルもかなりなめらかだけど、ホコリとかが付着しやすいかなと。本当に何もなくてそれでも無理やりルブをしたいならアリかも…?笑
こんな感じですかね。
どの潤滑剤も塗って間もないため、耐久性とか未知な部分も多いので、安定を取りたい方はおとなしくKrytox使いましょう笑
自前のキーボードのスイッチ全部にフッ素コート
というわけで、フッ素コートが個人的にすごく良いというのがわかったので、普段使ってるキーボードのスイッチ全部にフッ素コードでルブしてみました。
スプリングには万能オイルを使います。
まずはキーキャップを全部外して…。

スイッチを抜きます。
スイッチを抜くのって結構大変で、フルサイズだと104キーもあるのでGateronのスイッチプラー(最初の画像の赤い細長いやつ)とかを使うのがオススメです。
自分で挟むピンセットみたいなやつだと指が痛くなります…。

そして取り外したスイッチの分解をします。
スイッチの分解もスイッチオープナーを持ってる方はそれでもいいですが、4つ爪ならピンセット、2つ爪ならカッター等で簡単に開けられますし、慣れたらそちらのほうが早かったりするのでオープナーは必須ではないかなという感じ。

心を無にして全部のスイッチを分解します。
このときパーツごとに分けておいたほうがルブ作業や組み立てのときに少しだけ楽になるので分けておきましょう。
そして分別したのがこちら!

上下ハウジングにはルブをしないので同じ袋に入れてしまいました。
スプリングは袋に入れた状態で、袋の中にオイルを何滴かたらしてシャカシャカ振ってたら全体に行き渡ります。
その後にキッチンペーパーか何かに全部出して、余分なオイルを拭き取ったら出来上がりです♪
ステムは防水スプレーを吹き付けては乾かしを繰り返してフッ素コートしました。
※ガスが出るので、外か換気扇の下などの換気状態のいいところでやらないと危険ですので注意しましょう。
もう少し効率のいい方法があるといいのですが…。
お値段が張りますがフッ素オイルとかだと違ったりするんですかね?
それならKrytox買ったほうが安定だと思いますが笑
あとは一心不乱に組み立て。
キーボードにスイッチを装着し終えたら、キーキャップを付ける前に接触不良等がないかを確認してから、キーキャップを装着して終了です。
おかげですごく満足感のあるキータッチになりました♪
時間はかかりますがキータッチの変化は確実にあるので、興味のある方は一つだけ試してみて気に入れば全部やってみるといいと思います!
今回は出来るだけお安くルブをできないかという記事でしたが、フッ素コートは「滑って困るところには使わないでください」と書いてあるとおりで、すごく滑りが良くなることを実感できました。
ではでは!